情報倫理 ITパスポート対策ストラテジ系-企業と法務編⑧
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2023-10-122023-09-30
企業の責任
コンプライアンス
「法令遵守」と訳されることが多いですが、法律だけでなく、社内規定や業界の自主規制なども含めルールをしっかりと守っていくことを意味します。
コーポレートガバナンス
企業を健全に統治し、株主、顧客、従業員などのステークホルダーの信頼を獲得していくための仕組みや活動をコーポレートガバナンスといいます。監査機能の強化、独立性の高い社外取締役の登用などがコーポレートガバナンスを強化するためによく行われる取り組みです。
内部統制報告制度
上場企業を対象として制度で、財務計算の情報の適正性を確保する体制がとられているか評価した内部統制報告書を有価証券報告書と合わせて金融庁に提出することが義務付けられています。
公益通報者保護法
いわゆる内部告発者が解雇、降格などの不利益な取り扱いを受けることがないよう保護する法律です。
この法律による保護対象となるには以下の条件を満たす必要があります。
- 通報者は、労働者(パートタイム労働者、派遣労働者や取引先の労働者を含み、公務員も対象)または退職後1年以内の退職者・役員
- 企業などの事業者による一定の違法行為を通報
- 通報者は不正の目的を持たない
- 組織内の通報窓口、権限を有する行政機関や報道機関などに通報
プロバイダ責任制限法
インターネットにおいて誹謗中傷、名誉棄損などの権利侵害があった際に、プロバイダが負うべき責任の範囲を定めた法律です。ここでいうプロバイダには、電気通信事業者のみならずSNS、電子掲示板などのサービスを提供する事業者も含まれます。
この法律により、プロバイダは条件を満たせば賠償の責任を免れますが、権利侵害を受けた者は、発信者情報開示請求や送信防止措置依頼を行う権利があることが定められています。
ネット利用のマナー
インターネット上では誰でも自由に情報発信を行えるがゆえに、意図的あるいは無自覚に誤った情報を拡散するフェイクニュースや特定の集団に対する憎悪表現であるヘイトスピーチが問題となっています。
ネチケット
ネット+エチケットを組み合わせた造語でインターネットを利用する際のマナーを意味します。
ファクトチェック
フェイクニュースに対抗するため情報の真実性を検証する活動のことです。一部のメディアや任意団体によって行われています。
ソーシャルメディアポリシー
運営企業などがソーシャルメディアを利用する際のルールや禁止事項を定めたものです。ソーシャルメディアガイドラインともいいます。
有害サイトアクセス制限
携帯電話事業者などによって有害サイトにアクセスさせないためにフィルタリングなどのアクセス制限サービスが提供されています。親が子ともの情報機器利用を監視、制限することをペアレンタルコントロールといいます。
ELSI
Ethical, Legal and Social Issues(倫理的・法的・社会的な課題)の略で、新しい科学技術が社会に浸透していくなかで生じる技術的課題以外の諸問題を意味します。
情報公開法
行政機関が作成した文書について,開示請求を行える管理やその手続きについて定めた法律です。
対象となるのは、
- 法律に基づき内閣に置かれる機関(内閣官房、内閣府等)
- 内閣の所轄の下に置かれる機関(人事院)
- 国の行政機関として置かれる機関(省、委員会及び庁)
- 会計検査院
などの行政機関の職員が職務として作成した、または取得した文書、図画、電磁的記録で、誰でも開示請求を行うことができます(ただし、不開示になることや一部が黒塗りで開示される場合もあります)。
確認問題(過去問)
ITパスポート試験平成31年春問27
企業がコンプライアンスを推進する上で、 配慮が必要なものだけを全て挙げたものはどれか。
- 加盟する業界団体の定めたガイドライン
- 社会通念や慣習
- 社内規則
- 法律
ITパスポート試験令和5年問25
企業の行為に関する記述 a~cのうち, コンプライアンスにおいて問題となるおそれのある行為だけを全て挙げたものはどれか。
- 新商品の名称を消費者に浸透させるために、誰でも応募ができて, 商品名の一部を答えさせるだけの簡単なクイズを新聞や自社ホームページ, 雑誌などに広く掲載し, 応募者の中から抽選で現金10万円が当たるキャンペーンを実施した。
- 人気のある Web サイトを運営している企業が, 広告主から宣伝の依頼があった特定の商品を好意的に評価する記事を、 広告であることを表示することなく一般の記事として掲載した。
- フランスをイメージしてデザインしたバッグを国内で製造し, 原産国の国名は記載せず, パリの風景写真とフランス国旗だけを印刷したタグを添付して, 販売した。
ITパスポート試験平成30年秋問12
コンプライアンスに関する事例として,最も適切なものはどれか。
ITパスポート試験平成28年春問4
健全な資本市場の維持や投資家の保護を目的として, 適切な情報開示のために整備されたものはどれか。
ITパスポート試験平成31年春問4
次の記述 a~cのうち、勤務先の法令違反行為の通報に関して, 公益通報者保護法で規定されているものだけを全て挙げたものはどれか。
- 勤務先の同業他社への転職のあっせん
- 通報したことを理由とした解雇の無効
- 通報の内容に応じた報奨金の授与
ITパスポート試験平成31年春問30
プロバイダが提供したサービスにおいて発生した事例のうち,プロバイダ責任制限法によって、プロバイダの対応責任の対象となり得るものはどれか。
ITパスポート試験令和3年問17
プロバイダが提供したサービスにおいて発生した事例 a ~ c のうち,プロバイダ責任制限法によって,プロバイダの対応責任の対象となり得るものだけを全て挙げたものはどれか。
- 氏名などの個人情報が電子掲示板に掲載されて,個人の権利が侵害された。
- 受信した電子メールの添付ファイルによってマルウェアに感染させられた。
- 無断で利用者 ID とパスワードを使われて, ショッピングサイトにアクセスされた。
ITパスポート試験令和5年問9
ソーシャルメディアポリシーを制定する目的として,適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
- 企業がソーシャルメディアを使用する際の心得やルールなどを取り決めて, 社外の人々が理解できるようにするため
- 企業に属する役員や従業員が, 公私限らずにソーシャルメディアを使用する際のルールを示すため
- ソーシャルメディアが企業に対して取材や問合せを行う際の条件や窓口での取扱いのルールを示すため
ITパスポート試験令和元年秋問6
行政機関の保有する資料について,開示を請求する権利とその手続などについて 定めた法律はどれか。
ITパスポート試験令和4年問13
情報公開法に基づいて公開請求することができる文書として,適切なものはどれか。
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