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ダーウィンの海・魔の川・死の谷とは?iパスでも出題される技術経営系用語

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2023-05-112023-05-11

魔の川(デビルリバー)とは

魔の川は、基礎研究と応用研究の間にある障壁を意味する言葉です。

基礎研究により新しい技術や知識が開発されてもその価値や有用性が十分認識されていないため、それ以上先に進めずに研究が終わってしまうような状況を指します。

下の画像はBing(DALL·E)に作ってもらった魔の川のイメージです。

魔の川のイメージ

死の谷(デスバレー)とは

死の谷は、応用研究と製品開発、事業化の間にある障壁を意味する言葉です。

応用研究に成功しても、資金調達や人材の獲得、規制などのさまざまな問題に直面し、製品開発までこぎ着けられない状況を指します。

ベンチャー企業のみならず既存の大企業が研究開発する際にも直面する現象です。

死の谷の実証研究

「An empirical analysis of the valley of death: Large‐scale R&D project performance in a Japanese diversified company」 Yoshitaka Osawa Kumiko Miyazaki

ダーウィンの海とは

ダーウィンの海は、研究開発された製品が市場で成功するまでの間にある障壁を意味する言葉です。

研究成果が製品として結実して市場に出ても、消費者に受け入れられなかったり、ライバル製品との厳しい競争に晒され、十分な利益を出せないまま終わってしまうことも少なくありません。

製品が消費者に受け入れられるかについてのよく知られたモデルにロジャーズのイノベーション普及学やそれをもとにしたジェフリー・ムーアのキャズム理論があります。

キャズム理論によれば、アーリーアドプター(早期採用者)とアーリーマジョリティー(前期多数採用者)の間に深い溝(キャズム)があり、多くの製品はこれを乗り越えられないとされます。

イノベーションの普及

https://ja.wikipedia.org/

魔の川・死の谷・ダーウィンの海の関係

魔の川は基礎と応用、死の谷は応用と製品、ダーウィンの海の製品と市場の間の障壁を表します。

魔の川・死の谷・ダーウィンの海の関係

覚え方としては、基礎的なものから順に、魔の川を渡り、死の谷を乗り越え、ダーウィンの海で生き残ると順番を覚えておくとよいでしょう。

なお、これらを用語の使い方はそれほどはっきり定まっておらずこれら全てまとめて死の谷と呼ぶ場合もあります。

簡単に言えば、研究開発の成果が事業の成功に結び付くまでには色々な障害があるよということです。

確認問題

ITパスポート試験令和2年度問3

技術経営における新事業創出のプロセスを,研究,開発,事業化,産業化の四つに分類したとき,事業化から産業化を達成し,企業の業績に貢献するためには,新市場の立上げや競合製品の登場などの障壁がある。この障壁を意味する用語として,最も適切なものはどれか。

ITパスポート試験過去問令和2年度

https://ja.mondder.com

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ITストラテジスト試験午前2令和5年問14

技術経営における“魔の川”の説明として,適切なものはどれか。

ITストラテジスト午前2令和5年春 問題 解答 解説

https://ja.mondder.com

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中小企業診断士企業経営理論過去問 平成30年第12問

技術開発型ベンチャー企業が起業から事業展開で直面する障壁には、通常、以下の【A欄】にあるダーウィンの海、デビルリバー(魔の川)、デスバレー(死の谷)と呼ばれるものがある。これらの障壁は【B欄】のように説明できるが、その回避には【C欄】に例示したような対応策が求められる。

【A欄】のa〜cに示された障壁名、【B欄】の①〜③に示された障壁の内容、【C欄】のⅰ〜ⅲに示された対応策の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

【A:障壁名】

  1. ダーウィンの海
  2. デビルリバー
  3. デスバレー

【B:障壁の内容】

  1. ① 応用研究と商品開発ないし事業化との間に存在する資金や人材の不足などという障壁
  2. ② 開発商品を事業化して軌道に乗せる際、既存商品や他企業との激烈な競争に直面するという障壁
  3. ③ 技術シーズ志向の研究のような基礎研究からニーズ志向の応用(開発)研究に至る際の障壁

【C:対応策】

  1. 大手企業とのアライアンスやファブレス生産に取り組み、生産、販売、マーケティング、アフターサービスが一体となった体制などによって回避を試みる。
  2. 基礎技術や高い要素技術を必要とする領域は大学に任せ、TLO活用して連携を積極的に行うことなどによって回避を試みる。
  3. 所有している特許権や意匠権などの知的所有権のうち、一部の専用実施権を第三者企業に付与することや、社内プロジェクトメンバーについての担当の入れ替え、メンバーの権限付与の見直しなどによって回避を試みる。

〔解答群〕

中小企業診断士企業経営理論過去問 平成30年

https://ja.mondder.com

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