薬剤師国家試験 過去問 第107回2日目(2) 一般問題(薬学実践問題)
オプション
問題文正答率:50.00%
一般問題(薬学実践問題)【薬理、薬剤/実務】
問246−247 23歳女性。半年前に幻覚と妄想が出現し統合失調症と診断され、リスペリドン6mgによる治療を受けていた。精神症状は改善したが、手のふるえや筋肉が突っ張るような錐体外路症状が出現した。また、これまで規則正しかった月経が止まったとの訴えがあり、検査により高プロラクチン血症と診断された。患者から別の薬剤への変更を希望され、以下の処方へ変更することになった。
- (処方)
- アリピプラゾール錠 12mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
問246(薬理)
この患者でリスペリドン服用中に認められた副作用発生の主な機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
問247(実務)
変更後の処方薬に関する記述として、適切なのはどれか。2つ選べ。
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問題文正答率:50.00%
問248−249 68歳男性。体重62kg。最近動悸が激しく息切れすることもあったが放置していた。突然、左側の手足のしびれや麻痺が発現し、言葉も出てこなくなったため、家族が救急車を要請し緊急入院となり、心房細動及び心原性脳梗塞と診断された。心不全の症状はなく、その後の治療により病状が落ち着いたため退院することになった。入院中の処方1に加え、退院時に処方2が新たに追加されることになった。また、現在の検査値は以下のとおりである。
- (検査値)
- 血圧140/88mmHg、心拍数110拍/分、BUN28mg/dL、血清クレアチニン値1.4mg/dL、クレアチニンクリアランス42mL/min、LDL165mg/dL、HDL50mg/dL、TG(トリグリセリド)140mg/dL
- (処方1)
- カルベジロール錠2.5mg 1回2錠(1日2錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
- (処方2)
- エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠60mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
問248(薬理)
処方1及び2のいずれかの薬物の作用機序として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問249(実務)
処方1と2を監査した病棟薬剤師が処方医に提案する内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
248
1→チクロピジンの作用機序である
2→ワルファリンの作用機序である
4→オザグレルの作用機序である
5→アルテプラーゼの作用機序である
249
腎機能が低下しているため腎排泄型薬物のエドキサバンを減量する必要がある
またLDLが高値のためLDLを低下させるアトルバスタチンを追加する
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問題文正答率:50.00%
問250−251 64歳女性。8年前に朝の手指のこわばり、多関節痛が出現し、近医にて関節リウマチと診断された。メトトレキサート(6mg/週)でコントロールされていたが、1ヶ月前より関節症状が悪化したため入院した。入院時検査では、腫脹関節10ヶ所、圧痛関節6ヶ所、赤血球沈降速度112mm/h、CRP8.5mg/dLであったことから疾患活動性が高いと判断され、インフリキシマブ(3mg/kg)を併用することになった。なお、体温37.2℃、血圧94/58mmHg、脈拍数80拍/分、ALT80IU/L、AST88IU/Lであった。
問250(実務)
この患者の治療における薬剤師の対応として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
問251(薬理)
メトトレキサートとインフリキシマブを投与した場合、この患者で期待される効果の機序はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
250
4→メトトレキサートの増量はせずに投与を中止して適切な処置を行う必要がある
251
3→インドメタシンの記述である
4→トシリズマブの記述である
5→アデノシン濃度を上昇させてアデノシン受容体を介して抗炎症反応を示す
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問題文正答率:50.00%
問252−253 62歳男性。3年前、階段を昇る時に息切れを感じるようになり受診したところ、左室肥大と肺うっ血を認め、慢性心不全と診断された。処方1~処方3で治療されていたが、慢性心不全の増悪により入院した。その後、処方4を追加して病態が安定したため、退院することになった。現在の検査値等は以下のとおりである。
- (検査値)
- 血圧120/82mmHg、心拍数84拍/分、AST24IU/L、ALT16IU/L、BUN18mg/dL、血清クレアチニン値0.9mg/dL、Na145mEq/L、K2.9mEq/L、Cl102mEq/L、血清BNP410pg/mL、左室駆出率EF33%
- (処方1)
- エナラプリルマレイン酸塩錠10mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 30日分
- (処方2)
- ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 30日分
- (処方3)
- フロセミド錠40mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 30日分
- (処方4)
- エプレレノン錠25mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 30日分
問252(実務)
この患者に対する副作用モニタリングとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
問253(薬理)
この患者に追加された処方4の薬物の作用として、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
252
2→Kは基準値以下である
3→基準値内であるため徐脈ではない
4→血清ナトリウムの低下に注意が必要である
253
1→ビソプロロールの記述である
2→エナラプリルの記述である
3→デノパミンの記述である
4→フロセミドの記述である
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問題文正答率:50.00%
問254−255 45歳男性。体重45kg。10年前に全結腸型潰瘍性大腸炎と診断され、寛解・再燃を繰り返した後、メサラジン1,500mg/日、アザチオプリン50mg/日で寛解維持されていた。2ヶ月前より大腸炎が再燃し、上の処方で効果不十分であったため、以下の処方にて寛解導入することになった。
- (処方1)
- タクロリムスカプセル1mg 1回1カプセル(1日2カプセル)
- 1日2回 朝夕食後 3日分
- (処方2)
- アダリムマブ(遺伝子組換え)皮下注80mgペン 0.8mL 1回160mg
- 2本(1回分)
問254(実務)
薬剤師のこの患者への説明として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問255(薬理)
処方1及び2のいずれかの薬物に期待される効果の機序はどれか。2つ選べ。
解説・コメント
254
3→高血糖になりやすい
4→間欠投与の必要がある
5→適切な処置が必要である
255
2→トファシチニブの記述である
3→メサラジンの記述である
4→アザチオプリンの記述である
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問題文正答率:50.00%
問256−257 70歳女性。高血圧、心筋梗塞の既往あり。処方1~処方3の薬剤を服用していたが、脂質異常症の治療効果不十分のため処方4が追加された。現在の身体所見等は以下のとおりである。
- 身体所見:身長155cm、体重56kg、血圧118/75mmHg、脈拍数67拍/分(整)
- 血液検査:AST30IU/L、ALT28IU/L、血清クレアチニン値0.75mg/dL、BUN17mg/dL、HDL42mg/dL、LDL122mg/dL、TG(トリグリセリド)110mg/dL
- (処方1)
- アスピリン腸溶錠100mg 1回1錠(1日1錠)
- ラベプラゾールNa錠5mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
- (処方2)
- テルミサルタン40mg/アムロジピンベシル酸塩5mg配合錠 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
- (処方3)
- ロスバスタチン口腔内崩壊錠10mg 1回2錠(1日2錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
- (処方4)
- エゼチミブ錠10mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 7日分
問256(薬理)
処方1~処方4のいずれかの薬物の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問257(実務)
この患者の脂質異常症の治療に関して、適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
256
1コレスチラミンの記述である
2→エナラプリルの記述である
4→ロミタピドの記述である
257
1→目標値は40である
3→追加投与の必要はない
4→吸収は低下しないため変更する必要はない
5→プロブコールは心筋梗塞の新鮮例及びうっ血性心不全の患者には慎重投与となっている
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問題文正答率:50.00%
問258−259 33歳女性。最近体重が減少し、手指振戦、動悸、多汗があるため受診した。身体所見として眼球突出、びまん性甲状腺腫がありバセドウ病と診断され、薬局に以下の処方箋を持参した。なお、患者は動悸や振戦がひどくて辛いと話している。検査値等は以下のとおりである。
- (検査値)
- 脈拍数115拍/分、遊離サイロキシン(FT4)4ng/dL、遊離トリヨードサイロニン(FT3)10pg/mL、甲状腺刺激ホルモン(TSH)0.05μU/mL以下、TSH受容体抗体陽性
- (処方1)
- チアマゾール錠5mg 1回3錠(1日3錠)
- 1日1回 朝食後 14日分
- (処方2)
- プロプラノロール塩酸塩錠10mg 1回1錠(1日3錠)
- 1日3回 朝昼夕食後 14日分
問258(薬理)
処方1及び処方2のいずれかの薬物の作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問259(実務)
この患者への薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
258
1→分解促進ではなく合成阻害である
3→アドレナリンβ₁受容体遮断による
5→チアマゾールはペルオキシダーゼ阻害により甲状腺ホルモンの産生を抑制する
259
3→投与後数時間で発現する
4→チアマゾールの副作用である無顆粒球症の可能性がある
5→自覚症状がなくなっても投与は続ける
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問題文正答率:50.00%
問260−261 48歳男性。ぜん息の治療でシムビコートタービュヘイラー(ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物配合)を使用している。人間ドックの眼圧検査により、高眼圧を指摘されたため、眼科を受診した。視力は右眼0.4、左眼0.5、眼圧は右29mmHg、左25mmHg、視神経乳頭陥凹が認められ、原発開放隅角緑内障と診断された。処方1で薬物療法を行い、1ヶ月後の検査で眼圧は両眼ともに22mmHgに低下したが、効果不十分として処方2が追加された。
- (処方1)
- ラタノプロスト点眼液0.005%5mL 1本
- 1回1滴 1日1回 夕 両目点眼
- (処方2)
- ブリンゾラミド懸濁性点眼液1%5mL 1本
- 1回1滴 1日2回 朝夕 両目点眼
問260(実務)
服薬指導時の薬剤師の説明内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問261(薬理)
処方2の追加でも効果不十分であったため、処方1及び処方2とは作用機序が異なる薬物を処方3として追加することとなった。追加する処方3の薬物の作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
260
2→瞬きせずに眼を閉じておく必要がある
3→5分以上の間隔をあけてから点眼すること
5→1回1滴までである
261
1→チモロールの記述である
2→ラタノプロストの記述である
3→ブリンゾラミドの記述である
5→アドレナリンα受容体を刺激するものとしてブリモニジンがある
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問題文正答率:50.00%
問262−263 48歳女性。月経あり。乳がん(ER及びPgR陽性、HER2陰性)と診断され左乳房部分切除及び腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後化学療法として、シクロホスファミド600mg/m2、エピルビシン100mg/m2を3週毎に4サイクルを終了し、パクリタキセル80mg/m2を3週投与、1週休薬の4サイクルを開始している。卵巣機能は回復しており、術後化学療法終了後にタモキシフェンによる治療を検討中であるが、本患者においてはタモキシフェンと他剤との併用療法も選択可能である。担当薬剤師は3次資料を用いて、タモキシフェン単独療法と他剤との併用療法の有用性を調査することにした。
問262(実務)
この場合用いる資料として優先順位が高いのはどれか。2つ選べ。ただし、これらの資料は調査時の最新版を用いることとする。
問263(薬理)
調べた結果、術後化学療法後に卵巣機能が回復している場合、タモキシフェンに薬物Aを併用することが推奨されていた。なお、薬物Aは、この患者で術後化学療法として用いられた薬物とは作用機序が異なるものであった。薬物Aの作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
262
1→薬物の相互作用の管理に関する情報である
4→妊産婦や授乳婦への薬物投与解説書である
5→重篤度から判断して必要性が高い副作用について治療法などをまとめたものである
263
1→パクリタキセルの記述である
2→エピルビシンの記述である
3→タモキシフェンの記述である
4→シクロホスファミドの記述である
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問題文正答率:50.00%
問264−265 薬剤師が特別養護老人ホームを訪問した時、施設の看護師から入所者が内服薬を服用しないので困っているとの相談を受けた。処方は朝食後にドネペジル塩酸塩錠10mgを1錠であった。現状を踏まえ、主治医に対し次回からリバスチグミン経皮吸収型製剤への変更を提案した。
問264(実務)
薬剤変更を提案するにあたって、薬剤師が主治医に確認することとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
問265(薬剤)
リバスチグミン経皮吸収型製剤の特徴として、誤っているのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
264
1→作用増強のおそれがあるため併用しないこと
4→4週間ごとに増量が必要である
5→肝機能障害である
265
4→皮膚における角質層である
https://ja.mondder.com/fq?id=6616🔗
問題文正答率:50.00%
問266−267 17歳男性。病的骨折を起こして精査の中で左脛骨骨肉腫と診断された。左膝関節離断術の後、翌月からメトトレキサート12g/m2/日、ドキソルビシン30mg/m2/日、シスプラチン120mg/m2/日による術後化学療法が開始された(全投与期間16週間、9コースから成るMAP法)。入院時の検査値、持参した一般用医薬品は以下のとおりであった。
(入院時の検査値)
白血球数5,300/μL、好中球数3,000/μL、Hb12.1g/dL、血小板数251×103/μL、AST21IU/L、ALT22IU/L、血清クレアチニン値0.82mg/dL、eGFR107mL/min/1.73m2(入院時に持参した一般用医薬品)
ファモチジン錠、ロキソプロフェン錠、ポビドンヨードうがい薬、酸化マグネシウム錠
問266(薬剤)
この患者において、術後化学療法の施行中も、持参した一般用医薬品の服用を継続した場合、発現する可能性が最も高い薬物間相互作用はどれか。1つ選べ。
問267(実務)
この患者に対して、第1週目(1コース目)のメトトレキサートを6時間単独静脈内投与することになった。医療チーム内で薬剤師が確認する事項として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
266
1→UGT1A1はイリノテカンと相互作用を示す
2→相互作用は特に知られていない
3→有機アニオントランスポーターである
4→相互作用は特に知られていない
267
1→メトトレキサートは骨肉腫の患者には投与しないこととされている
https://ja.mondder.com/fq?id=6617🔗
問題文正答率:50.00%
問268−269 48歳男性。気管支ぜん息の既往があり、処方1及び処方2の薬剤を継続して使用している。この患者はテオフィリンの治療薬物モニタリング(TDM)を実施しており、定常状態の血中濃度は15μg/mLであった。しかしここ数日、腹痛や吐き気が強く、今日は仕事も休んでいるとかかりつけ薬剤師に相談があった。聴き取りにより2日前からピロリ菌の除菌療法(処方3)をしていることが判明した。速やかにかかりつけ医を受診するように指示し、当該医師にも連絡を取った。その後、この患者について、受診時のテオフィリンの血中濃度が40μg/mLであることを医師に確認した。なお、アドヒアランスは良好であることを確認している。
- (処方1)
- ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入液 1回2吸入
- 1日2回 朝食後・就寝前 7日分
- (処方2)
- テオフィリン徐放錠200mg 1回1錠(1日2錠)
- 1日2回 朝食後・就寝前 7日分
- (処方3)
- ボノプラザン錠20mg 1回1錠(1日2錠)
- アモキシシリンカプセル250mg 1回3カプセル(1日6カプセル)
- クラリスロマイシン錠200mg 1回2錠(1日4錠)
- 1日2回 朝夕食後 7日分
問268(実務)
薬剤師がこの患者のテオフィリン中毒の要因と考えた内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
問269(薬剤)
この患者が処方2の薬剤の服用を中止し、テオフィリンの血中濃度が15μg/mLに低下するまでに要する時間として最も近いのはどれか。1つ選べ。
ただし、テオフィリンの血中動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、血中消失半減期は6.9時間とする。なお、ln2=0.69、ln3=1.10とする。
解説・コメント
268
クラリスロマイシンはCYP3A4阻害作用を有しテオフィリンはCYP1A2が関与すっるため2剤の併用によってテオフィリンの血中濃度が上昇する
269
㏑15=-(0.69/6.9).t+㏑40
0.1t=㏑40-㏑15
t=9.7h(≒10h)
https://ja.mondder.com/fq?id=6618🔗
問題文正答率:50.00%
問270−271 27歳男性。体重50kg。父をドナーとする生体腎移植治療が予定されている。7日後の移植術を控え、術後に用いるタクロリムスの投与設計を薬剤師が依頼された。
問270(薬剤)
この患者にタクロリムスを経口投与し、24時間採血を行った際の血中濃度時間曲線下面積(AUC0-∞)は120μg・h/L、一次モーメント曲線下面積(AUMC0-∞)は1,320μg・h2/Lであった。また、タクロリムス0.5mgを急速静注した直後の血中濃度は10ng/mLであった。この患者にタクロリムスを1日1回経口投与し、定常状態における平均血中濃度を10ng/mLとしたい。適切な投与量(mg)に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、タクロリムスの吸収速度定数を1.0h-1とし、バイオアベイラビリティを0.2とする。また、タクロリムスの体内動態は線形1-コンパートメントモデルに従うものとし、反復投与によってタクロリムスの体内動態は変化しないものとする。
問271(実務)
術前の投与設計によって、タクロリムスカプセルの投与を手術当日夕食後より開始した。7日後に退院予定であるが、病棟担当薬剤師が行う患者への指導内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
270
Dpo=10ng/ml・5L/h・24h÷0.2
=6.0㎎
271
タクロリムスはCYP3A4で代謝されるためグレープフルーツのCYP3A4阻害作用により血中濃度が上昇するため摂取は控える
タクロリムスは免疫抑制薬であるため生ワクチンの風疹ワクチンを接種することによって発症の可能性が増大する
https://ja.mondder.com/fq?id=6619🔗
問題文正答率:50.00%
問272−275 65歳男性。身長160cm、体重58kg。開胸心血管バイパス術施行後4日目に38.5℃の発熱を来し、喀痰、血液培養、尿、鼻汁を用いたグラム染色の結果、陽性であった。細菌培養の結果が得られるまで48時間程度を要することから、院内感染制御チームへのコンサルトの結果、MRSA感染症を疑い、当日夜よりバンコマイシン点滴静注用の14日間投与が決定された。バンコマイシン投与前の検査値を以下に示す。
- (検査値)
- 白血球数13,000/μL、CRP7.5mg/dL、血清クレアチニン値1.2mg/dL、BUN17.6mg/dL、クレアチニンクリアランス(Ccr)50mL/min
バンコマイシンの投与量決定には母集団薬物動態解析により得られた以下のパラメータを用いた。
- CL(L/hr)=0.05×Ccr(mL/min)[Ccrが85mL/min以下の場合]
- CL(L/hr)=3.5[Ccrが85mL/minより大きい場合]
- Vd(L)=60.7
問272(薬剤)
母集団薬物動態解析及びこの患者の投与量決定に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問273(薬理)
バンコマイシンの治療効果及び副作用に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
問274(実務)
バンコマイシン投与後の副作用確認のために薬剤師が行うモニタリングとして、適切なのはどれか。2つ選べ。
問275(実務)
バンコマイシン投与開始後、以下の経過をたどった。
- 1日目 (バイパス術施行後4日目)バンコマイシン点滴静注用の投与開始。
- 3日目 血液サンプルの細菌培養でMRSA陽性。そのMICは2.0μg/mL。
- 7日目 体温36.5℃。
- 10日目 CRP0.2mg/dL。体温36.2℃。白血球数2,500/μL。
- 以上の治療経過を踏まえた病棟担当薬剤師の主治医への対応について、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
272
1→多くの患者群を解析することによって得られるものである
2→影響は受けない
5→一定にする必要はない
273
2→テトラサイクリンの記述である
3→リネゾリドの記述である
5→レボフロキサシンの記述である
274
2→高血圧が起こるとの報告はない
3→聴力の確認が必要である
4→急性腎不全や間質性腎炎の発現頻度が高い
275
5→白血球数が基準値より下がっているため投与中止は適切である
https://ja.mondder.com/fq?id=6620🔗
問題文正答率:50.00%
問276−277 55歳男性。2型糖尿病。内服薬による血糖のコントロールが不良のため、インスリン導入の目的で教育入院を行い、超速効型インスリンの投与が開始された。しかし退院後、仕事が多忙のため自己注射が不規則になった。現状の改善が図れないことから、かかりつけ薬剤師が処方医にトレーシングレポートを書き、使用製剤の見直しについて処方提案を行った。その結果、次回来局時には以下のように変更された処方箋を持参した。
- ライゾデグ配合注フレックスタッチ(注)
- 1回12単位 1日1回 朝食直前
- (注)インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・インスリン アスパルト(遺伝子組換え)溶解インスリンアナログ注射液
問276(実務)
生活の状況を考慮して処方変更となった患者への説明として、適切なのはどれか。1つ選べ。
問277(薬剤)
図は、皮下投与後のインスリンアナログの動態を示している。インスリンアナログの動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
276
1→本剤に超速攻型インスリンが含まれているため不要である
2→懸濁製剤ではないため転倒混和の必要はない
3→低血糖のリスクがあるため食事の直前に投与する
5→調整すべきではない
277
1→可溶性で安定なヘキサマーとして存在する
2→アルブミンと結合していない
5→アルブミンと結合していない
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問題文正答率:50.00%
問278−279 72歳男性。経口血糖降下薬を用いた治療を受けていたが、健康診断にて腎機能は正常であるが肝機能の異常を指摘され、精査目的で入院となった。病棟担当薬剤師が入院時持参薬の鑑別結果をもとに初回面談の際に指導を行う予定である。
- (持参薬)
- グリメピリド錠1mg 1回1錠(1日1錠)
- 1日1回 朝食後 30日分
- ビルダグリプチン錠50mg 1回1錠(1日2錠)
- メトホルミン塩酸塩錠250mg 1回2錠(1日4錠)
- 1日2回 朝夕食後 30日分
問278(実務)
主治医からの情報で、本患者には肝腫瘍の疑いがあるため、明後日朝にイオパミドール注射液を用いた画像検査が予約されていることが判明した。病棟担当薬剤師が患者に対して行う説明の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
問279(薬剤)
イオパミドール注射液には以下の3種類のバイアル製剤がある。これら注射剤の粘度に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ただし、37℃における水の粘度0.70mPa・sとする。
解説・コメント
278
2→必要ない
4→注意する必要がある
5→強い痒みの有無にかかわらず十分な水分補給を行う必要がある
279
3→大きい
4→低粘土
5→大きい
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問題文正答率:50.00%
問280−281 32歳女性。全大腸型潰瘍性大腸炎と診断され、プレドニゾロンで加療していたが再燃を繰り返したため、プレドニゾロンをインフリキシマブのバイオシミラー製剤に変更したところ軽快した。インフリキシマブに変更して6ヶ月目に全身倦怠感と顔面(頬部)の広範な紅斑を認め、TNF阻害薬誘発性のループス様症状と診断された。
問280(薬剤)
インフリキシマブのバイオシミラーに関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
問281(実務)
ループス様症状は、インフリキシマブ投与の中止と高用量のプレドニゾロン投与により軽快した。このとき、消化性潰瘍の予防として使用されたのはどれか。1つ選べ。
解説・コメント
280
1→キメラ型抗体である
2→同一の糖鎖を有するとは限らない
4→後発医薬品の記述である
5→異なる細胞を用いる
281
1→予防には使われない
2→骨粗しょう症に使用される
3→痛風、高尿酸血症に使用される
4→関節リウマチに使用される
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問題文正答率:50.00%
問282−283 54歳女性。体重60kg。腋窩リンパ節転移が著明な進行性乳がんと診断され、トラスツズマブを含む化学療法を継続していた。最近の画像検査にて肝転移を認めたため、以下の化学療法を施行することとなった。
(注)トラスツズマブに抗がん薬DM1が結合した構造を有する薬剤で、白色の塊である。
問282(実務)
本化学療法レジメンの運用に際して院内で合意された内容のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。
問283(薬剤)
トラスツズマブ エムタンシン製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
282
1→省略できない
2→初回は90分かけて投与する
3→溶解することはできない
4→省略できない
283
1→タンパク質と薬物の複合体である
2→HER2に対するモノクローナル抗体である
5→微小管重合阻害により抗がん作用を示す
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問題文正答率:50.00%
問284−285 近隣で喫茶店を営む高齢男性から、体調変化に関してかかりつけ薬剤師に相談があった。以前から神経因性疼痛があり、一般用医薬品の芍薬甘草湯を服用しているが、「最近、足がむずむずして気持ち悪いことが多く、夜も寝られないことがある。」とのことだった。近医を紹介し、お薬手帳を持参の上で受診するように提案した。その後、紹介した医師より、ドパミンアゴニスト使用不可のレストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)と診断され、以下の処方を考えている旨の連絡がこのかかりつけ薬剤師にあった。
- ガバペンチン エナカルビル錠(注)300mg 1回2錠(1日2錠)
- 1日1回 夕食後 14日分
- (注)徐放錠である。
問284(実務)
かかりつけ薬剤師が、患者や医師に対して行う処方薬に関する説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
問285(薬剤)
ガバペンチン エナカルビル及びその製剤に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
解説・コメント
284
1→徐放性が失われることがあるため相談するよう説明する
2→腎機能検査を医師に確認する
3→併用可能である
285
3→ナトリウム依存性マルチビタミントランスポーターを介して吸収される
4→徐放剤として含まれる
5→腸溶性は示さない
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解説・コメント
246
リスペリドンはSDAであり線条体におけるドパミンD₂受容体遮断による錐体外路症状や脳下垂体前葉におけるドパミンD₂受容体遮断による高プロラクチン血症がある
247
2→投与開始から26週間は週1回の検査を行う
3→分布容積は大きいが血漿中薬物濃度が少ないため血液透析は有効ではない
5→長期コントロールが必要となる